ドライアイとは
ドライアイとは、涙の量が少なくなる目の病気です。
上瞼の少し外側(耳側)にある「涙腺」から分泌された涙は、私たちの目の表面を潤してくれます。目の表面が乾くと、ほぼ無意識に瞬きをし、そのたびに目の表面は潤されます。また同時に、付着していた埃やばい菌の排除、黒目への栄養補給も行われています。
ドライアイによって涙の量が少なくなると、これらの働きが阻害されることになります。目の乾燥、充血、ゴロゴロという異物感などをきたし、不快感を与えます。
ドライアイの原因
ドライアイは、さまざまな原因が重なって起こるものと言われています。
環境
- モニターを見つめながらの作業
- 空気の乾燥
- 睡眠不足
- ストレス
パソコンなどのモニターを集中して見ながら作業をすると、瞬きの数が減少します。
病気
- シェーグレン症候群
シェーグレン症候群の症状の1つに、ドライアイがあります。シェーグレン症候群はその他にもドライマウス、目の痛み・充血、虫歯・歯周病、関節炎、甲状腺炎などの多岐にわたる症状を引き起こすことがあります。
薬物
- 風邪薬
- 睡眠薬
- 精神安定剤 など
上記の薬物の副作用として、ドライアイを起こすことがあります。
涙液の流れ
涙液つまり涙は、涙腺でつくられたあと眼の表面を潤し、そのうちの約1割が空気中に蒸発します。
残りの約9割は眼の内側(鼻側)の涙点という穴を通り、涙小管、涙嚢、鼻涙管という器官を経て、鼻腔へと流れていきます。
ドライアイの症状
- 眼が乾く
- 眼の疲れ
- 眼が重い感じがする
- 眼が痛い、かゆい
- 光がやけに眩しい
- 目ヤニ
- 眼の充血
- 眼がかすむ
- ゴロゴロという異物感
- 涙が出る
最後に挙げた「涙が出る」という症状も、意外かもしれませんがドライアイの症状の1つです。乾燥を補おうと、一時的に涙が多量に出ます。
ドライアイの検査
視力検査、眼圧検査、涙液層破壊時間検査、フルオレセイン染色検査、シルマー試験などを行います。検査結果をもとに、総合的に診断します。
ドライアイの治療方法
ドライアイのほとんどは、治療が完全に不要となる“完治”までには至りません。
治療やライフスタイルの工夫により症状を軽減しながら、うまく付き合っていくことが重要です。
点眼薬
人工涙液、角膜上皮保護点眼液、涙液分泌促進点眼液といった、ドライアイの症状を軽減する点眼薬を使用します。
涙点プラグ
涙が排出される「涙点」を、シリコン製の小さなプラグで塞ぎます。涙の排出が少なくなり、眼の表面に涙が長く留まります。
なお、取り付けた涙点プラグは、下瞼に隠れて普段はまったく見えません。
キープティア
涙が排出される「涙点」を、体温で固まるコラーゲンで塞ぎます。涙点プラグよりも違和感が抑えられます。
涙点プラグと同様、普段は外から見えません。
病気・薬物が原因である場合
ドライアイの原因疾患としてシェーグレン症候群などが疑われる場合には、提携する専門の医療機関をご紹介します。
また、薬物(風邪薬・睡眠薬・精神安定剤)などが原因となっている場合には、主治医の先生と連携をとるなどし、お薬の減量や中止を検討することもあります。
ドライアイの対策・予防法
ドライアイの原因には、環境要因も含まれていることは先述した通りです。
日常生活において以下のような工夫に取り組むことで、症状を軽減したり、予防することが可能です。
- モニター作業中には意識して瞬きをする
- タブレットやスマートフォンの長時間使用を避ける
- 加湿器などで室内の湿度を維持する
- エアコンの風が直接当たらないように注意する
- コンタクトレンズを使用している場合には
眼鏡に替える - 良質な睡眠を確保する